CADCAM冠について
院長ブログ
みなさま、こんにちは。
暑かったり寒かったり、体調も崩しやすい時期ですが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は保険適応になったCADCAMについてお話したいと思います。
みなさま、お気づきでしょうか?
いままで、奥歯のかぶせものや、小さな詰め物の代表例としては銀歯やプラスチックの詰め物が保険治療では主流でした。
しかし、近年の金属の高騰によるものと、技工士さん不足により、CADCAMというスキャナーと3Dプリンターによるプラスチックの白い材料を削りだすことで、人工物が作れる時代になりました。
歯の色は白いです。天然の歯の色に近くなり、見た目も良くなるので、朗報と言ってよいでしょう。
しかしながら、まだまだ金属に頼ることは多いことは間違いないです。
このCADCAMはいわゆる単独の歯には用いられているものの、連続した歯、例えばブリッジなどにはて既往もあるものの、まだまだ強度では金属にはかないませんし、見た目のきれいさはいわゆる「セラミック」にはかないません。
セラミックの強度、表面の滑沢さはやはり一番良いと思います。
もちろん天然の歯は一番良いことは忘れてはならないでしょう。
天然歯の硬さは、硬さをはかる指標として、ビッカース硬度というものがあり、これを数値で表すと、
270~400HVで、
セラミックは400~500HV、天然歯より硬いです。
しかし、CADCAMは55HV、大臼歯では75HV、と言われ、まだまだ代用品としては進化が必要なものです。
くわえて摩耗する材質のため、歯ブラシにより傷がついたり、傷にプラーク(バイオフィルム)がついたりして、課題は多いです。
保険治療ということもあり、これを歯に入れる人はこれからは増えていくでしょう。
天然歯が
硬さ4
摩耗耐久性5
色5
セラミックは
硬さ5
摩耗耐久性5
色5
CADCAMは
硬さ2~3
摩耗耐久性2
色4
と「長持ち」という点では課題があります。
とはいえ、保険治療に用いられて、ある程度の硬さ、耐久度はありますが、皆様のイメージとして再三ブログでも書きましたが、①日々の歯の手入れ(ホームケア)②食事や飲料の選択(甘いもの、硬いものは危険)③定期健診④精密な人工物、という点では注意は必要です。ですので、治療したと言っても完全体、治癒には至りません。
欠けたり、穴が開いても本人が気づかないこともしばしば・・・。ですので、やはり定期検診は何にしても必要だと覚えていただけたらありがたいですね。
今回はこのあたりで。
それでは。
ふるかわ歯科クリニック
院長 古川大介