予防歯科の考え⑨歯の病気の原因は?(9)離乳食の話①
院長ブログ
みなさま、こんにちは。
今回は「離乳食」についてお話しさせていただきたいと思います。歯周病と離乳食、どう関係するのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、そうですね・・・、本当に直接は関係ないかもしれませんが、子供から大人になり、そして最近では超高齢化社会になることを踏まえ、老人になったときに最近では誤嚥、そして口腔機能低下症、嚥下障害などが問題になってきています。これを作るのに、「食べる習慣」が必要になってくると思います。「食べる」は「咀嚼」だと思います。が、最近ではスムージーや栄養補給のドリンク、野菜ジュースなどで、朝ご飯を済ませたり、「時間がない」ということで簡単に済ませてしまう「習慣」が私たちにはとても心配です。その「習慣」を作る最初の一歩が「離乳食」だと思のです。
前回お話しさせていただいた「哺乳」は赤ちゃんの舌の力を発達させ、あごの発達が期待でき、呼吸も鼻呼吸になりやすいです。歯並びがよくなり、鼻呼吸できればまず歯周病は予防できる期待は大きくなります。ちなみにあごが小さく発育し、口呼吸になれば、上の前歯が常に赤く腫れるケースが多くなります。
さて、離乳食ですが、赤ちゃんが生まれ、産院や小児科で指導をみなさま受けると思いますし、その後検診などで栄養士さんや看護師さんなどに指導は受けると思います。しかし、実はここに歯科が参加できていないことも現実的にあります。各自治体と歯科医師会でこのあたりは運営されているため、全国で一致しているわけではありません。ですので、お母様方は情報が同じ、ではなくなります。これはいろんな育児におけることもそうかもしれません。
「離乳食」は哺乳から「食べる」ことへの赤ちゃんの成長のため、栄養の摂取が必要になります。最初はスープ状のもの。歯が生えてくるタイミングは6か月ごろですが、その時はまだ前歯だけ。歯が生えたからと言ってなんでも食べられるわけではありません。大体1歳~1歳半ごろになれば上下6本ずつ12本生えてきますが、このころにはどろどろのもの、と言うよりは気の早い方はもしかしたら大人と同じ硬さの食べ物を与えてしまうかもしれません。この時は、ちょっと待ってください!!だいたい舌と上あごで潰せるくらいの柔らかさのものをあげるようにしましょう。そして奥歯が生えてきたと思ったときに大人の食べる硬さより少し柔らかめのものをあげたいです。これはなぜ?と言うと、前歯だけの時に硬い食べ物を食べさせると、実は前歯がみする癖がつき、そしてゴクンと飲み込んでしまいます。この癖がつくと、奥歯が生える前に前歯でかみ、飲み込む癖がつき、いざ奥歯が生えても奥歯で咀嚼できない子供になってしまいます。この時にさらに「時間がない」を押し付けてしまい、早食いが加わると時間をかけて食べたいお子さんにはちょっとその後の食生活が心配です。なるべく楽しみながら、ゆっくりと食事を楽しむことで、その後の人生を親子で豊かになって欲しいのが、私たちの願いです。
次回は離乳食編その2でお送りします。それでは。