歯科治療が時間がかかる理由
院長ブログ
みなさま、こんにちは。
暑くなったり、寒くなったりで体調悪くする方もいらっしゃいますが、お元気でしょうか?しっかりと食事と水分をとって元気で過ごしたいですよね。
さて今回は「歯科治療、なんで時間がかかるの?」という題材でお伝えできれば、と思います。
みなさんはどう思いましうか?
近年コロナ感染した方もいらっしゃると思いますが、いわゆる「風邪」をひくと、まずどんな症状がでるでしょうか?そうですね、咳や鼻水、そして熱が出たり・・・。これは体の外からの「細菌」によるものであったり、自分の体が弱る「自己免疫」が下がったりすることで惹き起こされます。
それでは、例えば歯周病や虫歯はどうでしょうか?
これは実は風邪と同じ「細菌」感染によるものです。感染というと大げさかもしれませんが、自分のお口の中にいる「細菌」によって惹き起こされます。
細菌が歯や歯肉に「コロニー」という鎖状に固まった状態で付着します。こうなるとこれを壊すことができるのが、いわゆる「歯ブラシ」や「デンタルフロス」が有効になり、残念ながらマウスウォッシュでは壊れません。
さて、ここから虫歯や歯周病が始まります。ここで風邪などど違うことは何か月も何年もかけて悪化していくことです。虫歯も歯周病も長期に起こることで、その前駆症状としては、例えば食べ物がはさまるとか、歯肉から出血するなどありますが、痛くもかゆくもないため、歯科クリニックに受診する人は少ないかもしれません。
痛みが出て歯科にかかるときはだいぶ病気が進行した状態なのです。
ですので、これを治療しよくするためにはやはり時間がかかるのです。また「風邪」などの体の病気はほぼお医者さんから薬をもらい、体を休めたら、1週間もしないうちに元気になるかと思います。それは体の「自然治癒力」が働くからです。
しかし、歯の治療は「回復治療」「原因療法」になります。虫歯ができたら、歯を削るとして、そのままの状態にしても歯はもとに戻りません。なにか詰め物か金属などで修復処置をしなければならないのです。言い換えればほぼ自然治癒力のない歯に対して私たち歯科医師は人工物で補うしか方法がないのです。
その人工物はやはり、人間・技工士さんが作りますし、最近では3DプリンターやAIが発達してきてはいますが、それでもほぼ人間の手が必要です。これを作るのにも時間がかかるわけです。しかも大量生産のものではなく、みなさんおひとりおひとりに対して、世界でたった一つの人工物です。
まずこれを精密に作るのは正直大変で、短時間で歯を削り、型取りして、次回装着する・・・患者さまにとっては短時間ではあるかもしれないけどかなり時間がかかる作業になるわけです。
さらに装着した後でも、かんだり、食べたりすることが続きます。
この後の話は次回しますが、歯科の治療は回復するまで続き、またその後にまた同じ病気にならないように一生懸命ブラッシング指導や、歯のお掃除をさせていただく予防治療になるわけです。
なによりも治療は苦しいし大変です、予防を継続して行っていただき、楽しく美味しいお食事をしていただきたく思います。
院長 古川大介