予防歯科の考え㉔痛みの予防について(1)
院長ブログ
みなさま、こんにちは。今夜は442年ぶりの月食でした。きれいでしたね。
寒さもだいぶ深くなってきたような気もします。
さて、今回は「痛み」についてお話ししたいと思います。
歯や口の中にはいろんな神経が張り巡らされ、内臓の門として体に入れたりする際に、異物や異常などを感知してくれる存在です。しかし、その痛みは状況によっては生活に支障の出るものもありますし、最近いらっしゃた患者さんは1か月ぐらい痛み(違和感)があったと言っていました。
この口の中の痛み、特に歯の痛みや歯ぐきの痛みはつらいですよね・・・この痛みを少しでも軽減できる、またはなくすこともできるのか?検証していこうと思います。しかしながら、大きな虫歯や末期の歯周病になっても痛みが出ない人もいますし、少しの痛みでも歯科に来院される方もいらっしゃいます。つまり個人差が非常に大きいので、一般的に痛みが出るのはどんなメカニズムなのかをお話ししたいと思います。
まず口の中の病気で一番にあげられるのは、「虫歯」ですよね・・・。よくあるのは定期検診などで虫歯が見つかっても痛くない時はありませんか?ものがはさまる、しみる、フロスが引っかかる、黒いなど、いろいろな初期症状があると思います。虫歯が小さい場合、食べ物や飲み物の刺激が歯髄(歯の神経)に及ばない時にはあまり痛みやしみは感じません。また、もし痛みがあったとしても右で噛むと痛みがあっても、左で噛めば痛くない・・・なんてことはありませんか?
まず痛みが出るほどの虫歯はいわゆるC2と言われており、歯の表面のエナメル質を越え、象牙質に達した時に痛みが出ると言われます。しかしながらこれも食べ物やの飲み物の刺激がないと痛みとしては発現しにくいです。たまに冷たいものがしみる、チョコやフルーツなど、特異的なものがしみる。これくらいの症状で治療にあたれば痛みはでにくいです。これ以上虫歯が進むとどうなるのか?虫歯が歯髄に近づけば近づくほど、治療後もしみたり痛みが出たりすることは多いので、予後は良くないことが多く、また何か月か何年かして痛みが出ることも多いです。なるべくなら避けたいですよね。
また、C3と言われる、もう歯髄まで虫歯が達してしまったケースは炎症が歯髄にまで至り、痛みが強いです。ここまで行ってしまうと正直歯の神経の治療をしない限り痛みはなくならないです。もちろん神経が死んでしまい、痛みがなくなっても歯が治ったわけではありません。さらに神経を取ってしまうと歯の強さも半分くらいになり、歯の破折や保存に影響を及ぼすこともありますので、注意が必要です。
私たちの願いとしては出来れば虫歯を作らない、しかしできてしまったら早めの治療を施すことが痛みに対する最も有効的な予防法になるかと思います。
次回は神経の治療についてお話しします。
それでは。